整骨院のチラシと看板とホームページは、同じ規制で見られていません|あはき・柔整広告ガイドラインの線の引き方

面が線で区切られていて、1か所だけ線が引かれていないことを表した抽象図

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整骨院・接骨院の広告には、厚生労働省のガイドラインがあります。令和7年(2025年)2月18日に出たものです。

読んでいて意外だったのは、同じ一文でも、どこに置くかで扱いが変わるところでした。チラシと看板は広告です。ホームページは、原則として広告ではありません。

この記事は、ガイドラインの原文を開いて、場所ごとにどう線が引かれているかを順に確かめます。何がセーフで何がアウトかは書きません。 それを決めるのは当社ではないからです。

この記事は 2026年10月2日 に取得した厚生労働省の公表資料にもとづいています(公開日 2026年10月6日)。引用はすべて原文の字のままです(引用の内側の鉤括弧のみ『』にしています)。

この記事を書いているのは、整骨院・鍼灸院向けに、ホームページの制作と、予約管理システムの開発をしている会社です。都内で長年営業する整骨院とは、予約管理システムを共同開発しています。

つまり当社は、この記事で扱うホームページを、実際に作る側にいます。 後で見るとおり、このガイドラインは施術所だけを対象にしているのではなく、広告を企画・制作する側も、違反があれば依頼者とともに指導等の対象となり得ると書いています。当社は、この規制の外側にいる立場ではありません。

そのうえで申し上げると、当社は、広告やホームページの文面が規制に適合しているかどうかを判定する立場にはありません。 だからここでは、厚生労働省が公表している資料に書かれていることだけを確かめます。会社の説明は、記事の最後に置いています。


広告かどうかは、3つの要件がそろうかで決まります

ガイドラインは、何が広告に当たるかを、こう定めています。

「あはき師法第7条及び柔整師法第24条の対象となるあはき・柔整に関する広告の該当性については、次の①から③までの要件のいずれも満たす場合に該当するものと判断されたい。①利用者を施術所等に誘引する意図があること【誘引性】②施術者の氏名又は施術所等の名称が特定可能であること【特定性】③一般人が認知できる状態にあること【認知性】」

(厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」令和7年2月18日・Ⅱの1。以下「ガイドライン」)

3つのうち1つでも欠ければ、広告には当たりません。 この記事で見ていくのは、その3つめ、認知性がどこで満たされ、どこで満たされないか、という線です。

誘引性には但し書きが付いています。

「①でいう『誘引性』は、施術者又は施術所の利益を期待して誘引しているか否かにより判断することとし、例えば利用者が施術者又は施術所の依頼によらずに自発的に作成した体験手記や新聞記事等のメディア等は、特定の施術所等を推薦している内容であったとしても、①でいう『誘引性』の要件を満たさないものとして取り扱うこと。」

院が頼んでいないものは、院を褒めていても広告ではない、という線です。

そして、この規制を受けるのは院だけではありません。

「施術者又は施術所だけでなく、マスコミ、広告代理店、いわゆるインフルエンサー及びアフィリエイター等、何人も広告規制の対象とされるものである。」

「広告依頼者から依頼を受けて、広告を企画・制作する広告代理店や広告を掲載する新聞、雑誌、テレビ、出版等の業務に携わる者は、依頼を受けて広告依頼者の責任の下で作成し、又は作成された広告を掲載、放送等するに当たっては、当該広告の内容が広告可能な事項であるか等、あはき師法及び柔整師法並びに本指針に違反する内容となっていないか十分留意する必要があり、違反等があった場合には、広告依頼者とともにあはき師法又は柔整師法及び本指針による指導等の対象となり得るものである。」

(ガイドライン Ⅱの4(1)(2))

制作を外に頼んでも、責任が外に移るわけではない、という書き方です。冒頭で当社の立場を書いたのは、ここに当社自身も含まれるからです。

チラシと看板は、3つともそろいます。配れば一般の人が目にしますし、院の名前が入っていて、来てほしくて配るからです。ここには説明が要りません。 問題は次からです。


ホームページは、原則として広告ではありません

ガイドラインは、ウェブサイトをこう位置づけています。

「インターネット上の施術所等のウェブサイト等は、当該施術所等の情報を得ようとの目的を有する者が、自らURLを入力したり、検索サイトで検索した上で閲覧するものであるため、本指針Ⅱの1に掲げた③の『認知性』を満たさないものとして、従来情報提供や広報として扱ってきた。これらについては、引き続き原則として広告とは見なさないこととする。」

(ガイドライン Ⅱの6(6))

理由がはっきり書かれています。自分で探して開くものだからです。 街に貼り出された看板とは、人の出会い方が違う。だから認知性を満たさない、という整理です。

ただし「原則として」と書かれています。原則の外側が、次の章です。


入り口が広告なら、同じページも広告になります

ガイドラインは、インターネット上でも広告として扱うものを挙げています。

  • バナー広告
  • リスティング広告
  • 動画広告
  • 施術所紹介サイト上の紹介ページ
  • 「検索サイトの運営会社等に対して費用を支払うことによって意図的に検索結果として上位に表示される状態にしたもの」
  • SNSでの書き込み等

(ガイドライン Ⅵの1(1))

SNSについては、公開範囲を限っていても広告になり得る、と書かれています。

「公開範囲が限られている場合に関しても、公開時においては公開範囲に含まれる者のみが閲覧することとなるが、SNSの性質上、公開範囲に含まれる者が自ら当該書き込み等の情報を求めるものではない上、閲覧者が、当該書き込みについて何らかの反応を起こすことで、2次的、3次的に伝達されることから、本指針Ⅱの1に掲げた③の要件を満たすものであり…」

自分で探して開いたのではない、という一点が効いています。 前の章でホームページが広告にならなかったのも、同じ理由の裏返しです。

そして、ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

「この場合、バナー広告等にリンクしている施術所等のウェブサイト等についても、バナー広告等と一体的な関係にあることによって一般人が容易に認知できる状態にあることから、本指針Ⅱの1に掲げた③の要件を満たすものであり、さらに本指針Ⅱの1に掲げた①及び②の要件を満たす場合には、広告として取り扱うこと。」

ページは1枚のままです。変わるのは、そこへ至る道だけです。 広告から入ってきた人が見るとき、同じページが広告として扱われます。

場所ごとの扱いの図。チラシ・看板は広告。ホームページは原則として広告ではない。バナー広告・リスティング広告・動画広告・SNSの書き込み・施術所紹介サイトの紹介ページは広告。そして広告から入って見るホームページも、一体として広告に当たる

広告でなくても、ウェブサイトには線が引かれています

前の章までで「広告かどうか」の線を見ました。ガイドラインは、広告に当たらないウェブサイトについても、内容の線を引いています。

掲載すべきでない事項として、8つが挙げられています(Ⅵの4)。

  1. 内容が虚偽にわたる又は客観的事実であることを証明することができないもの
  2. 他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの
  3. 内容が誇大なもの又は施術所等にとって都合が良い情報等の過度な強調
  4. 早急な受療を過度にあおる表現又は費用の過度な強調
  5. 科学的な根拠が乏しい情報に基づき、利用者の不安を過度にあおる等して、施術所等への受療を不当に誘導するもの
  6. 公序良俗に反するもの
  7. 品位を損ねる内容のもの
  8. あはき師法、柔整師法以外の法令で禁止されるもの

それぞれに具体例が付いています。ここでは、院名や効能の言い回しではなく、ページの作り方そのものに関わる3つを引きます。

「施術者又は施術所等にとって便益を与えるような感想等のみを意図的に取捨選択し掲載する等して強調することは、利用者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあるものであり、ウェブサイト等に掲載すべきでないこと。」

「撮影条件や被写体の状態を変える等して撮影した施術前、施術後の写真等をウェブサイト等に掲載し、その効果・有効性を強調することは、利用者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあることから、そうした写真等については内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。」

「利用者に謝礼を支払う又は依頼する等して、自らの施術所等に便益を与えるようなコメント等を掲載させるべきではないこと。」

載せる内容の話ではなく、選び方・撮り方・集め方の話です。

逆に、自費の施術を行う施術所が掲載すべき事項も3つ定められています(Ⅵの3)。問い合わせ先、自費の施術の内容と通常必要とされる費用、主なリスク・副作用等です。回数券についても書かれています。

「回数券やプリペイドカード等を販売する場合には、その商品の内容や契約内容を利用者が正確に理解して購入できるよう表示すること。」

置き方にも注文が付いています。

「以下の情報の掲載場所については、当該情報を閲覧する者にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを貼った先のページへ掲載したり、利点・長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用することは控えること。」

書いてあればよい、ではないという書き方です。

なお、ここまで引いてきたのはガイドラインの文面で、自院の表示がこれに当たるかどうかの判断は、所管の保健所・都道府県にご確認ください。


名前そのものにも、線が引かれています

ガイドラインは、施術所の名称についても広告可能・不可を示しています(Ⅲの3(2))。

広告可能な名称の例として挙がっているのは、施術業態を特定しない「○○施術所(院)」、業態に治療院等を付けた「○○鍼灸治療院」、業務の種類のみの「○○マッサージ」、そして併設の場合の併記「○○接骨院・鍼灸院」です。

広告不可な名称の例は8分類あります。主なものを挙げます。

分類例(原文のまま)
あはき、柔整以外の業態と紛らわしい名称カイロプラクティック、整体、リラクゼーション、リフレクソロジー、アスレチック、コンディショニング 等
対象者を限定するもの○○女性専門療院、○○レディース、子ども、スポーツ、アスリート、美容、交通事故専門、むちうち専門 等
効能を含んでいる名称、優良な施術所と思わせる名称姿勢改善、小顔矯正、骨盤矯正 等
その他、施術所と分かりにくい名称○○堂、○○館、○○道場、○○センター、○○ステーション、サロン、ほぐし処、研究所 等

そして、この一文が付いています。

「なお、これらの広告不可な表現については、例えば、英語にしたり、一般的に同じ意味と認識される別の用語・呼称を用いる等表現方法を変えても表示は不可であること、また、看板、掲示物及び装飾等を含め施術所外への表示も不可であることに留意すること。」

言い換えても同じ、そして施術所の外に出す表示はすべて同じ、という線の引き方です。


「整骨院」は、どちらのリストにも載っていません

ここまで見てきて、気づいたことがあります。

ガイドラインの本文を通して検索すると、「整骨院」という語は1件も出てきません。 当社が2026年10月2日に、本文(46ページ)を全文で確認しました。「接骨院」は5件あります。広告可能な名称の例にも、広告不可な名称の例にも、「整骨院」はありません。

載っていない理由は、記録に残っています。

○福島座長「現状として記載する、よしとする、駄目とするは決められない。だから、記載をしないというところで、ひとまず、ここの部分はそれで御理解いただいて…」

○福島座長「一応というか、整骨院に関してはガイドラインには記載はしない形で進めたいと思います。 そこでいかないと進まないので、進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。」

(首肯する委員あり)

(厚生労働省「第11回 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会 議事録」令和6年7月12日)

記載しないことが何を意味するかも、その場で確認されています。

○福島座長「というか、実際には書かないということは今までどおり、例えば『整骨院』と届出が出てくればそれは認める。そういう形の運用になるのだろうと理解しています。 事務局としてはそれでいいですね。」

○西嶋医事課長「そうです。」

これは検討会での発言であって、通知でも告示でもありません。 ガイドラインの本文には、やはり「整骨院」は出てきません。自院の名称の取扱いについては、所管の保健所・都道府県にご確認ください。

なお、この検討会は第11回(令和6年7月12日)が最後で、それ以降は開かれていません。ガイドラインが出たのは、その後の令和7年2月18日です。


線が引かれなかった、という記録

このガイドラインは、場所ごとに線を引いています。

チラシと看板には引かれ、ホームページには原則として引かれず、そのホームページも、入り口が広告なら引かれる。広告に当たらなくても、掲載すべきでない8つが置かれている。名前そのものにも引かれている。

そして、おそらく最も多く使われている名前のところだけ、線が引かれませんでした。

引かなかったのではありません。記録に残っているのは、記載するともしないとも決められなかった、ということです。

この記事では、無資格者の行為に関する広告(Ⅶ)と、指導・措置の手順(Ⅴ)には触れていません。病院や診療所を対象とする医療広告ガイドラインも、別の規制です。


よくあるご質問

Q. ホームページは広告ではないので、何を書いても自由ということですか。

A. いいえ。ガイドラインは、広告に当たらないウェブサイトについても、掲載すべきでない事項を8つ挙げています。虚偽や客観的事実であることを証明できないもの、他との比較により優良性を示そうとするもの、誇大なもの、早急な受療を過度にあおる表現、科学的な根拠が乏しい情報で不安をあおり受療を誘導するもの、公序良俗に反するもの、品位を損ねるもの、他の法令で禁止されるものです。また、自費の施術を行う施術所については、問い合わせ先、施術の内容と通常必要とされる費用、主なリスク・副作用等を掲載すべき事項として定めています。

Q. リスティング広告を出すと、ホームページまで広告になるのですか。

A. ガイドラインは「バナー広告等にリンクしている施術所等のウェブサイト等についても、バナー広告等と一体的な関係にあることによって一般人が容易に認知できる状態にあることから」広告の要件のうち認知性を満たすとしており、他の要件も満たす場合には広告として取り扱うこととしています。ページそのものが変わるのではなく、そこへ至る道によって扱いが変わる、という書き方です。個別の判断は所管の保健所・都道府県にご確認ください。

Q. 「整骨院」という名前は使ってよいのですか。

A. この記事では判断できません。ガイドラインの本文に「整骨院」という語は出てこず、広告可能な名称の例にも広告不可な名称の例にもありません。第11回検討会の議事録には、「現状として記載する、よしとする、駄目とするは決められない。だから、記載をしない」という座長の発言と、「実際には書かないということは今までどおり、例えば『整骨院』と届出が出てくればそれは認める」という理解に事務局が「そうです」と答えた記録があります。ただしこれは検討会での発言であって、通知でも告示でもありません。自院の取扱いは所管の保健所・都道府県にご確認ください。

Q. 院名に「骨盤矯正」と入れているのですが、看板を替えれば済みますか。

A. ガイドラインは、効能を含んでいる名称の例として「姿勢改善、小顔矯正、骨盤矯正」等を挙げています。あわせて「英語にしたり、一般的に同じ意味と認識される別の用語・呼称を用いる等表現方法を変えても表示は不可であること、また、看板、掲示物及び装飾等を含め施術所外への表示も不可であること」としています。看板だけの問題として書かれてはいません。実際の対応は所管の保健所・都道府県にご確認ください。


出典(いずれも2026年10月2日確認)

  • 厚生労働省「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(あはき・柔整広告ガイドライン)」令和7年2月18日 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001412674.pdf
  • 厚生労働省「第11回 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会 議事録」令和6年7月12日 https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/001293872.pdf
  • 厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」(開催回の一覧) https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_547242.html

この記事について

ここまでが、厚生労働省が公表している資料の話です。以下は、この記事を書いている会社の説明です。

冒頭で触れた会社です。整骨院・鍼灸院向けに、ホームページの制作と、予約管理システム SyncotBase の開発・運用をしています。SyncotBase は、都内で長年営業する整骨院と共同開発したものです。

当社はホームページを作る側なので、この記事で扱った規制の外側にはいません。 だからこの記事では、当社の判断を1つも書いていません。書いたのは、厚生労働省の資料に書かれていることだけです。

当社は、広告やホームページの文面が規制に適合しているかどうかを判定する立場にはありません。 適合しているかどうかを決めるのは、所管の保健所・都道府県だからです。

制作をお引き受けするときは、このガイドラインに反する内容にならないよう注意を払います。 上で見たとおり、ガイドラインは制作を請け負う側にもそれを求めています。そのうえで、個別の表示についての最終的な確認は、所管の保健所・都道府県にお願いしています。

なお、広告のガイドラインが定めているのは、院が外に向けて出す表示の内容です。患者さんが来院の予約を取る仕組みとは、別のものです。SyncotBase が扱うのは、来院の予約の受け付けと、患者さんの情報の管理です。

予約の受け方や患者さんの情報の管理については、SyncotBase の内容をこちらでご覧いただけます。

整骨院向け予約管理システムの機能と料金を見る(SyncotBase公式サイト)

整骨院・鍼灸院のホームページ制作も、お引き受けしています。制作の内容は会社のサイトに載せています。料金は、院の状況に合わせたお見積りです。

整骨院・鍼灸院のホームページ制作を見る(Rhythmwalker公式サイト)

ガイドラインの本文は、厚生労働省のウェブサイトで公開されています。