整骨院・接骨院のリピート率を上げる|帰るときに残るのは、日付か残数のどちらかです

カレンダーの1日に印が付いた図と、使った分と残った分に分かれた回数券の図を左右に並べ、次に来る理由として残るのは日付か残数のどちらかであることを表したイメージ図

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施術が終わって、会計をして、「また来てくださいね」と言って見送る。

悪いことではありません。ただ、そこで終わっているとすると、次にいつ来るかは患者さんの記憶と都合だけに委ねられています。 数日経つと、痛みが引いた実感のほうが先に立ちます。

この記事は、その見送り方を少しだけ変える話です。


残るのは、日付か残数のどちらかです

次に来る理由が「ある」かどうかは、気持ちの問題ではありません。帰るときに、形になったものが残っているかどうかです。

そして、残るものは2つしかありません。

  • 日付が残る——次回の予約が入っている
  • 残数が残る——回数券の残りがある

どちらか一方でもあれば、次の来院は「思い出したら」ではなく「決まっていること」になります。どちらも無ければ、次に来るかどうかは、患者さんが痛みを感じ直したときに決まります。

「また来てくださいね」は、あいさつであって、理由ではありません。 言われた側に残るのは気持ちだけで、行動の手がかりは何も増えていない。だから、悪くはないけれど効きません。

この記事では、その2つの残し方を順に見ていきます。先に言っておくと、1つ目は道具が要りません。 今日の午後からできます。


日付を残す

いちばん確実なのは、帰る前に次回の日付を決めてしまうことです。予約システムがあってもなくても、紙の台帳でもできます。

うまくいかない院の多くは、聞くタイミングを決めていません。会計が終わって、患者さんが上着を着て、扉に手をかけたあたりで「そういえば次回は」と切り出すと、たいてい「また連絡します」で終わります。

決めやすくするための条件は、3つだけです。

  • 聞くのは施術の直後。会計より前に、施術の話の流れのまま次回に触れる
  • 候補を2つ出す。「いつがいいですか」ではなく「木曜の夕方か、土曜の午前でしたら空いています」と聞く。開いた質問より、選ぶほうが答えやすいからです
  • 間隔の目安を先に伝える。「次は1週間後くらいがよいと思います」と言われていれば、患者さんの側にも判断の材料ができます

これで全員が決めてくれるわけではありません。予定が読めない方もいます。それでも、聞かなければ0件です。

日付まで決まらなかった方には、間隔だけ渡すという手もあります。「2週間くらいを目安に、ご都合のいいときで大丈夫です」とお伝えしておくと、患者さんの側に判断の基準が残ります。日付ほど強くはありませんが、何も無いよりは残ります。

なお、日付が決まっていれば前日のお知らせも届けられます。忘れられて来られなかったのか、都合が変わって来られなかったのかは、分けて考えたほうが打ち手が変わります。そこは治療院のドタキャン対策のほうが詳しいです。


残数を残す

この記事を書いているのは、合同会社Rhythmwalkerです。整骨院向けの予約管理システム「SyncotBase」を作っています。都内で長年営業する整骨院と共同開発し、いまも導入院の本番環境を保守しています。ここから先は、作っている側から見た話になります。

もう1つの残し方が、回数券です。日付と違って、次の1回だけでなく、何回ぶんかをまとめて残せます。

SyncotBaseでは、回数券の残数と有効期限をアプリで持てます。 ご希望の院に有効化する形で、全プランでご利用いただけます。

なぜ機能にしたのかというと、手で数えている院があるからです。 公式LINEのトークに「48分の1」「48分の2」と書き足していく、という運用が実際にあります。回数は数えられますが、期限が近い方を探すには、トークを1件ずつ遡ることになります。

アプリで持つと、その患者さんを開いたときに、残りの回数と有効期限、いつ何回減ったかの履歴が1か所に並びます。 予約を開いたときにも残りの回数が出ますし、患者さんご自身も、マイページで残りを確認できます。

SyncotBaseの管理画面のサンプル。患者さんを開いたときの回数券のカードで、残り7回、有効期限、消化した3回分の履歴が並んでいる
※ 画面はイメージ(サンプル)です。実際の患者さんのデータは表示していません。金額は院が設定した券の価格の記録で、SyncotBaseの利用料金ではありません(決済の機能はありません)。

効いてくるのは、期限のほうです。残りがあるのに期限が近い方は、放っておくと使い切れずに終わります。手で数えている運用だと、その方を見つけるには全員分を見返すことになります。

アプリで持っていれば、患者さんの一覧を残りの回数で絞り込めます。 残りが少ない方や期限が近い方は、最初に開く画面でも知らせます。 探しにいかなくても、目に入る場所に出てくる、ということです。

SyncotBaseの患者管理画面のサンプル。回数券の状態で患者さんを絞り込むボタンが並んでいる
※ 画面はイメージ(サンプル)です。実際の患者さんのデータは表示していません。

券そのものの中身は、院が決めます。何回の券にするか(1〜999回)、何日間有効にするか(1〜730日)。金額も記録として残せますが、決済や販売の機能はありません。 お金のやりとりは、これまでどおり院の運用です。

回数券の運用について相談する(SyncotBase公式サイト)


期限は、買った日ではなく使い始めた日から

回数券を出すとき、いちばん揉めやすいのが有効期限です。

SyncotBaseでは、有効期限は「買った日」からではなく、「最初に使った日」から数えます。 券を買った時点では、期限のカウントはまだ始まっていません。初回の来院で開始日が決まり、そこから設定した日数が有効期限になります。

これは、患者さんに説明しやすい形です。

年末に「来年も通うつもりだから」と買っていただいて、実際に通い始めるのが2月になった——そういうときに、買った日から数えていると、使わないまま1ヶ月半が減っています。 使い始めた日から数えるなら、その心配がありません。

売るときに「期限は、最初に使った日から◯日です」と一言添えられるかどうかで、あとの説明の手間がかなり変わります。

そのうえで、正直に書いておきます。期限が過ぎると、回数が残っていても使えません。 画面にもその状態が出ます。残りがあるのに期限切れという状態は、患者さんにとっていちばん納得しにくいものなので、期限が近づいた時点で一度お伝えする運用にしておくのが無難です。前の章で書いた「絞り込み」は、そのための道具です。

SyncotBaseの管理画面のサンプル。10回の回数券が9回残ったまま期限切れになっている回数券のカード
※ 画面はイメージ(サンプル)です。実際の患者さんのデータは表示していません。期限は購入日(5月21日)ではなく開始日(5月26日)から数えています。9回残ったまま期限が過ぎた状態も、隠さずそのまま出ます。

メニューごとに、使う枚数を変えられます

SyncotBaseでは、メニューごとに「1回の予約で何枚使うか」を設定できます。 0枚から10枚までで、はじめは1枚です。

これが要るのは、施術の長さや内容が一律ではないからです。

  • 50分の施術は1枚、100分の施術は2枚
  • 特定のコースだけ1枚で、それ以外は0枚

0枚に設定すると、そのメニューでは回数券を使いません。 回数券の対象にしていない施術を受けたときに、残りが減らない、ということです。

細かいところですが、0枚の予約は、券の「開始日」にもなりません。 回数券と関係のない施術を1回受けただけで有効期限が走り出す、という事故が起きないようにしてあります。

なお、枚数はメニューごとに決まります。 予約を作るときに1件ずつ変える、という使い方はできません。「このメニューは何枚」を先に決めておく形です。


止めるのではなく、見えるようにする

SyncotBaseでは、回数券の残りが0になっても、予約は取れます。 システムが予約を止めることはありません。

代わりに、予約の画面に残りの回数が出ます。残りがあれば何回あるか、使い切っていればその旨が、予約を開いたときに分かります。

止めない理由は、現場のほうが事情を知っているからです。「今日は回数券以外で」ということもあれば、「買い足しはまた次回で」ということもあります。どうするかを決めるのは受付や院長で、システムはその判断に必要なものを出すところまで、という切り分けにしています。

見えることの実利は、声をかける機会が会計の場に来ることです。あとから思い出して連絡する必要がありません。

なお、回数券を使っていない院の画面には、これらは何も出ません。 回数券の対象にしていない患者さんについても同じです。使う院の画面にだけ増える、という形にしてあります。


どちらも残らなかった人には、別の道があります

日付も残数も残らないまま、時間が経ってしまう患者さんはどうしても出ます。

その方たちに気づいて声をかける話は、整骨院の予約の取りこぼしを減らす方法に書きました。この記事で扱ったのは帰る前の話で、あちらは間が空いたあとの話です。


SyncotBaseの場合

  • 回数券の残数と有効期限をアプリで管理できます。ご希望の院に有効化する形で、全プランでご利用いただけます
  • 有効期限は、買った日ではなく最初に使った日から数えます
  • メニューごとに「1回で何枚使うか」を設定できます(0〜10枚・はじめは1枚)。0枚にすると、そのメニューでは使いません
  • 0枚の予約は、券の開始日にもなりません
  • 残りが0になっても、予約は取れます。システムは止めません
  • 予約の画面に残りの回数が出ます。患者さんご自身も、マイページで残りを確認できます
  • 券の回数(1〜999)と有効日数(1〜730)は、院が決めます
  • 決済・販売の機能はありません。お金のやりとりは院の運用です
  • 次回の予約は、管理画面からその場で入れられます

予約システム全体をどう選ぶかは、予約管理システムの選び方ガイドにまとめています。


よくあるご質問

Q. 回数券を出していないのですが、それでもできることはありますか。

A. あります。この記事の前半で書いた「帰る前に次回の日付を決める」は、道具が要りません。紙の台帳でもできます。回数券は残し方の一つで、これが無いとリピートが作れない、というものではありません。

Q. 回数券の有効期限は、いつから始まりますか。

A. SyncotBaseでは、最初に使った日からです。買った時点では始まりません。初回の来院で開始日が決まり、そこから設定した日数が期限になります。売るときに一言添えておくと、あとの行き違いが減ります。

Q. メニューによって、使う枚数を変えられますか。

A. 変えられます。SyncotBaseでは、メニューごとに0〜10枚を設定できます。0枚にすると、そのメニューでは回数券を使いません。 枚数はメニューごとに決まるので、予約を1件ずつ調整する形ではありません。

Q. 残りが0になったら、予約は取れなくなりますか。

A. 取れます。SyncotBaseは予約を止めません。予約の画面に残りの回数が出るので、買い足しをお願いするか、今回は別の扱いにするかを、その場で決めていただく形になります。


まとめ

リピートは、患者さんの気持ちに働きかけて増やすものではありません。帰るときに、次に来る理由が形になっているかです。

形になるものは2つでした。日付か、残数か。

日付は道具が要りません。施術の直後に、候補を2つ出して聞く。それだけです。残数は回数券という形で持てて、期限は使い始めた日から、枚数はメニューごとに、そして残りが0でも予約は止めない、という作りにしています。

今日できることを1つだけ挙げるとすれば、次の患者さんの施術が終わったときに、次回の日付を聞いてみることです。断られても失うものはありません。聞かなければ0件のままです。

予約の運用について相談する(SyncotBase公式サイト)