整骨院の予約の取りこぼしを減らす方法|見えない5つの瞬間と、自院でできる確認手順

予約の取りこぼしを表したイメージ図。院に向かう複数の流れのうち、いくつかが途中で途切れている様子

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「予約の電話に出きれていない気がする」。そう感じていても、出られなかった電話は記録に残りません。だから、どれくらい取りこぼしているのかを数えられている院は、ほとんどありません。

この記事は、整骨院・接骨院向けの予約管理システム「SyncotBase」を開発・運用している合同会社Rhythmwalkerが書いています。都内で長年営業する整骨院と共同開発し、同院の日々の予約管理に使われているシステムです。作り手として、また導入院を保守している立場から、予約が消えていく瞬間を時系列で5つに分けて整理しました。

最初にお伝えしておくと、この記事は「予約システムを入れてください」で終わる内容ではありません。お金をかけずに今日できる確認から順に書いています。


取りこぼしは「電話に出られなかった」だけではありません

取りこぼしと聞くと、多くの方が「鳴っている電話に出られなかった」場面を思い浮かべます。ただ、現場で起きていることを分解すると、性質の違う3つの層に分かれます。

何が起きているか院から見えるか
入口予約しようとした人が、予約に到達できない❌ 見えない
途中申込は届いたのに、確定・来院まで進まない△ 探せば見える
出口一度来た人が、そのまま来なくなる❌ 気づきにくい

やっかいなのは、「入口」と「出口」は院の側から見えないことです。予約表を眺めても空欄があるだけで、そこに「来るはずだった人」がいたかどうかは分かりません。

裏を返すと、見えていない層に手を打つほど、効果は大きいということでもあります。ここから、5つの瞬間に分けて具体的に見ていきます。


予約が消える5つの瞬間

瞬間1|「行こう」と思った時間に、窓口が開いていない

患者さんが「そろそろ行かないと」と思うのは、多くの場合、仕事終わりの夜や、寝る前です。院が閉まっている時間帯と、きれいに重なります。

日中も安全ではありません。施術中は電話に出られませんし、1本の電話に対応している間の着信は取れません。折り返しても、今度は相手が出られない。この往復の間に、気持ちは静かに冷めていきます。

ここはWeb予約という受け皿を用意するだけで、かなりの部分が回収できる領域です。院が閉まっていても、施術中でも、申込だけは受け取れる状態になります。

なお、「うちは高齢の患者さんが多いから」という理由でWeb予約を見送る院は多いのですが、予約を取るのは必ずしもご本人とは限りません。ご家族が代わりに取ることもありますし、実際に使ってみると年配の方でも問題なく予約されるケースがあります。電話予約は残したまま並行させられるので、どちらでも受けられる状態にしておけば、見送る理由にはならないはずです。

関連記事:整骨院の予約管理を効率化する

瞬間2|Web予約はあるのに、空き枠が「出ていない」

ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。

院の予約表には空きがあるのに、患者側の画面では埋まって見える状態を表した図

Web予約を導入しても、患者さんの画面に空き枠が出ていなければ、取りこぼしは続きます。 しかもこの取りこぼしは、電話より深刻です。患者さんは「埋まっているんだな」と思って静かに離脱するだけなので、院には問い合わせすら届きません。取りこぼしたこと自体に気づけないのです。

予約システムを自社で開発・保守している立場から言うと、空き枠の出方は、次の3つの「数え方」の設計で決まります。

① 同時に何件まで受けるか(同時予約の上限)の数え方

たとえば「同時に2件まで」と設定したとき、その2件をどう数えるかでスロットの見え方が変わります。時間帯に少しでも重なりのある予約をすべて足し上げる数え方だと、連続して入っている予約を二重に数えてしまい、実際には空いているのに枠が出ないという状態が起こり得ます。正しくは「その瞬間に同時に存在している予約の最大数」で判定する必要があります。

② 準備時間(インターバル)の扱い

施術のあとに片付けや記録の時間を挟む設定にしている場合、その時間も枠を占有します。ここで注意したいのは、予約を後から編集したときに準備時間が保たれるかです。備考を直しただけで準備時間の設定が抜け落ちると、枠の長さが変わってしまい、空き枠の表示も本来と違うものになります。

③ 担当が決まっていない予約の扱い

スタッフが複数いる院では、「担当未定」の予約をどう扱うかで結果が大きく変わります。安全側に倒すなら「誰かの担当を占有しているもの」として扱いますが、そうすると担当未定の予約が増えるほど、指名予約の枠が出にくくなります。逆に占有しないものとして扱えば、今度は二重予約のリスクが出ます。どちらの設計でも、担当未定の予約をなるべく作らない運用が前提になります。

参考までに、SyncotBaseでは①を「その瞬間の同時件数」で判定し、上限に達したら誰の担当が空いていても予約を受け付けない仕様にしています。担当を指名する予約では、同じ担当の二重予約も防ぎます。②③についても、編集で設定が失われないこと、担当未定の予約が自動的に増えないことを重視して設計しています。私たち自身、運用の中で見えてきた課題を受けて、この数え方の設計を作り直してきました。

自院の予約ページを、患者として確認する3ステップ

これはシステムを変えなくても、今日10分でできます

  1. スマホで、自院のWeb予約ページを患者として開く。 管理画面からではなく、患者さんが実際にたどる入口(ホームページのボタン、公式LINEのメニューなど)から入ってください
  2. 来週1週間の空き枠を数える。 そのうえで予約表と見比べます。予約表では空いているのに、患者側の画面に出ていない時間帯があれば、そこが取りこぼしです
  3. 予約が連続して入っている日と、担当を指名するメニューで、同じことを確認する。 ①②③の落とし穴は、この2つの条件で表面化しやすいためです

ズレが見つかったら、設定(同時予約の上限・施術時間・準備時間・営業時間・昼休み)を確認します。設定で説明がつかないズレなら、システム提供元に問い合わせる価値があります。

予約システム全体をどう選ぶかについては、予約管理システムの選び方ガイドに7つの基準としてまとめています。

関連記事:整骨院のダブルブッキングを防ぐ

瞬間3|申込は届いたのに、院が気づいていない

Web予約を入れると、当然ながら深夜や施術中にも申込が入ります。ここで新しい問題が生まれます。「申込に気づかないまま時間が過ぎる」という取りこぼしです。

患者さんの側からすると、申し込んだのに何の連絡も来ない時間が続くのは不安です。「本当に予約できたのだろうか」と思い、そのうち別の院を探し始めます。

受付窓口を増やしただけでは、対応漏れが増えるだけです。必要なのは次の2つがそろっていることです。

  • 申込があったことに、院がすぐ気づける(未対応がひと目で分かる)
  • 申込を受け取った時点と、確定した時点の両方で、患者さんに連絡が届く

SyncotBaseでは、患者さんの申込は必ず「承認待ち」を経て、院が承認して初めて確定になります(この承認フローはオフにできない設計です)。承認待ちの件数は管理画面上部のベルに常に表示され、承認すると消えます。承認した時点で、確定の連絡がLINEやメールで自動送信されます。

「院の都合を挟めるようにする」ことと、「未対応を放置しない」ことは、同じ仕組みの表と裏です。

ここまでで、自院に当てはまりそうな瞬間はありましたか。 どこから手をつけるか迷う場合は、現状をうかがったうえで一緒に整理することもできます。

予約の取りこぼしについて相談する(SyncotBase公式サイト)

瞬間4|確定したのに、当日につながらない/空いた枠が戻らない

予約が確定しても、まだ2種類の取りこぼしが残っています。

ひとつは、患者さんが予約を忘れてしまうこと。 1〜2週間前に取った予約は、日常の忙しさの中で記憶から飛びます。ここに効くのが前日のリマインドです。SyncotBaseでは、前日の朝に翌日分をまとめて自動送信する設計にしています。

正直な制約もお伝えします。この仕組みのため、前日の朝より後に入った駆け込み予約・当日予約には、リマインドは届きません。「前日までにいただいた予約にお送りする」仕組みだとご理解ください。リマインドの詳しい設計は公式LINEで予約リマインドを自動化する方法にまとめています。

もうひとつは、キャンセルで空いた枠が、そのまま死んでしまうこと。 これは見落とされがちですが、立派な取りこぼしです。前日にキャンセルの電話が入り、その枠が空いたまま当日を迎える——予約表の上では「空き」ですが、本来は誰かが入れたはずの時間です。

ここも正直に書きます。SyncotBaseには、キャンセル待ちの自動連絡機能はありません。また、患者さんがご自身で予約をキャンセルする操作にも対応していません(変更・キャンセルはお電話で受け付ける運用です)。ですので、空いた枠を埋めるには、

  • キャンセルの連絡を受けたら、その場で予約表に反映して枠を戻す
  • 空いた枠を、公式LINEなどでその日のうちに案内する

という運用が必要になります。ここは機能ではなく運用で埋める部分だと、はっきりお伝えしておきます。

瞬間5|来なくなったことに、誰も気づいていない

そして、一番大きく、一番放置されているのがここです。

新規の患者さんを1人増やすより、以前来ていた患者さんに戻ってきてもらうほうが、多くの場合ずっと近道です。それでも手が回らないのは、「来なくなったこと」は何も起きないからです。電話は鳴らず、通知も出ません。ただ静かに、予約表から名前が消えていきます。

紙やExcelで管理していると、これを見つけるには全患者の来院履歴を1件ずつたどるしかありません。現実的ではないので、多くの院で放置されます。

SyncotBaseのStandardプランには、再来フォローという機能があります。

  • 最後の来院から一定期間(30〜180日で設定)あいていて、今後の予約が入っていない患者さんを、ダッシュボードに「フォロー候補」として自動で提示します
  • 送信は院長が1件ずつ内容を確認して送る承認式です。一斉配信はしません

一斉配信にしなかったのは意図的です。治療院からの連絡は、押し売りだと感じられた瞬間に逆効果になります。「システムが勝手に営業メッセージを送る」状態は避け、誰に送るかを見つける手間だけを機械に任せて、送る判断と文面は人が持つ設計にしています。

なお、こうした連絡はあくまで「その後いかがですか」というご様子うかがいです。症状の改善や健康上の効果をうたう文面は使わないでください(広告規制に触れるおそれがあります)。


取りこぼしを「数える」——感覚で判断しない

ここまで読んで「うちはどれくらい取りこぼしているのか」と思われたはずです。冒頭に書いたとおり、取りこぼしそのものは記録に残りません。ですので、残るものから推測します。

見るもの分かること
申込が入った時刻の分布営業時間外に何件入っているか=電話だけなら失っていた需要
申込から承認までの時間未対応の申込が滞留していないか
予約がどこから来ているかホームページ・公式LINE・広告のどれが効いているか

上の2つは、専用の機能がなくても確認できます。Web予約を使っているなら申込の記録から、まだ電話中心なら「営業時間外に留守電・LINEに入っていた件数」を2週間だけメモするだけでも、傾向は見えてきます。

3つ目については、SyncotBaseのStandardプランに流入元分析があります。予約ページへのリンクに計測用のパラメータを付けておくと、「どの入口から何件の予約が入ったか」を、流入元・施策・CTA・予約経路の4つの軸で確認できます。

大事なのは精密さではありません。「営業時間外に月○件の申込が入っている」と分かるだけで、判断の質が変わります。それまで感覚で語っていたものが、数字で語れるようになります。


今日からできるチェックリスト

システムを入れなくても効くものを、上に置きました。

  • 自院のWeb予約ページを、スマホで患者として開く(ホームページのボタン・公式LINEのメニューから)
  • ☐ 来週1週間の空き枠を数え、予約表と突き合わせる(ズレていたら設定を確認)
  • ☐ 営業時間・昼休み・定休日・臨時休業が、予約画面に正しく反映されているかを確認する
  • ☐ ホームページの予約ボタンが、スマホで指の届く位置にあるかを確認する
  • ☐ 留守番電話・営業時間外のアナウンスに、Web予約への案内が入っているかを確認する
  • ☐ 公式LINEを持っているなら、メニューに「予約する」の入口があるかを確認する
  • ☐ 直近3ヶ月で来院が途切れた患者さんを10人だけ書き出してみる(全員でなくてよい)

最後の項目は、リストを作った時点で気づきがあります。「あの人、そういえば来ていない」という名前が必ず出てきます。


よくあるご質問

Q. Web予約を入れれば、取りこぼしはゼロになりますか?

A. ゼロにはなりません。この記事で挙げたとおり、取りこぼしは入口だけでなく、申込の見落とし・当日の忘れ・キャンセル枠・再来の途切れと、複数の瞬間で起きます。Web予約は「入口」に効く打ち手で、そこから先はそれぞれ別の仕組みや運用が必要です。

Q. 予約システムを入れたのに、予約が増えません。なぜですか?

A. まず、患者さんの画面に空き枠が正しく出ているかを確認してください(この記事の「瞬間2」)。予約表では空いているのに患者側に枠が出ていない、という状態は起こり得ます。あわせて、ホームページや公式LINEから予約ページへの入口がスマホで分かりやすい位置にあるかも確認する価値があります。

Q. 電話予約はやめないといけませんか?

A. やめる必要はありません。電話で話したい患者さんは一定数いらっしゃいますし、変更やキャンセルの連絡は電話のほうが早い場面もあります。目的は電話をなくすことではなく、電話に出られない時間帯の受け皿を用意することです。

Q. 患者さんが自分で予約をキャンセルできますか?

A. SyncotBaseではできません。変更・キャンセルはお電話で受け付ける運用です(患者マイページにもその旨を表示しています)。キャンセル待ちの自動連絡機能もありません。空いた枠を埋める部分は、運用でカバーしていただく形になります。

Q. 予約を承認制にすると、患者さんを待たせてしまいませんか?

A. 承認制でも、申込を受け取った時点で「受付完了」の連絡が自動で届くため、患者さんが何も分からないまま放置される状態にはなりません。そのうえで院が内容を確認して承認すると、確定の連絡が届きます。むしろ申込がそのまま確定になる仕組みだと、急な休診や直前の予定変更を挟む余地がなく、あとから電話で謝って調整することになります。大事なのは承認するかどうかより、承認までの時間を短く保つ運用です。


まとめ:見えない取りこぼしから手をつける

  • 取りこぼしは入口・途中・出口の3層で起きる。とくに入口と出口は院から見えないぶん、放置されやすい
  • Web予約を入れても、患者さんの画面に空き枠が出ていなければ意味がない。自院の予約ページを患者として開いて確認するところから始める
  • 申込に気づく仕組み(承認待ちの可視化)と、忘れさせない仕組み(前日リマインド)はセットで効く
  • 来なくなった患者さんに気づくのが、一番大きく、一番後回しにされている

SyncotBaseは、整骨院向けの予約管理システムです。私たち自身が開発し、運用保守までを行い、共同開発した導入院で実際に動かしています。予約の取りこぼしをどこから減らすか、現状をうかがったうえで一緒に整理します。

料金はLightプランが月額4,800円(税込5,280円)、Standardプランが月額9,800円(税込10,780円)です。初期費用(Light 15,000円・税込16,500円/Standard 25,000円・税込27,500円)は、トライアル中は返金可能なデポジットとしてお預かりし、継続されない場合は全額返金します(振込手数料を除く)。最大2ヶ月、いまの診療スタイルのままお試しいただけます。

オンラインで相談する(SyncotBase公式サイト)

他社システムとの違いや費用の中身を先に知りたい方は、ワンモアハンドとの比較記事もあわせてご覧ください。