整骨院の予約システムの料金はいくらか|相場の幅と、1年目の総額の出し方

予約システムの費用が、基本料や初期費用など複数の要素の積み重ねでできていて、最後のひとつはまだ確定していないことを表した図

執筆者:

カテゴリ:

公開:

「予約システムって、いくらくらいですか」

正直にお答えすると、「院によって違います」になります。それでは答えになっていないので、この記事では、ご自身の院の数字を入れれば金額が出る形にしてお渡しします。

先に、幅だけ出しておきます。2026年8月19日に、治療院向けに提供されている予約システム3サービスの公式サイトで料金を確認しました。基本料金は、税込で表示している2サービスが月額0円(件数の上限つき)から11,000円、税抜で表示している1サービスが月額9,800円でした。

幅がありすぎます。そして、この幅のどこに自分の院が着地するかは、月額の一覧を眺めていても分かりません。

書いているのは、整骨院向けの予約管理システム「SyncotBase」を開発・運用している合同会社Rhythmwalkerです。都内で長年営業する整骨院と共同開発し、導入院の本番環境を保守しています。値段をつける側として、料金表がなぜこういう形になっているのかを内側から説明します。

なお、この記事では個別のサービス名は出しません。価格もキャンペーンも変わりますし、最新の条件は各社の公式サイトでご覧いただくのが確実だからです。ここでお伝えするのは、どの料金表にも共通する読み方です。


月額を並べても、あなたの院の「安い」は決まりません

同じ料金表を2つの院が見て、逆の結論になることがあります。理由は単純で、「月額」は料金表のいちばん上の行にすぎないからです。その下に何行あるかが、サービスによって違います。

ある料金表は、下に「施術者を1名追加するごとに」という行があります。別の料金表は「月の予約件数が◯件を超えたら」。また別の料金表には、「この機能を使うなら追加で」という行がいくつも並んでいます。

いちばん上の行だけを横に並べても、比較にならないのはそのためです。

なお、そもそもどの機能が要るのかという基準そのものは、この記事の範囲ではありません。7つの基準に整理してありますので、そちらは整骨院の予約管理システムの選び方ガイドをご覧ください。この記事は、選ぶ基準が決まったあと、いくらになるかを出すためのものです。

予約システムの料金表は、いちばん上の月額はそろって見えても、その下に確認すべき項目がいくつ並ぶかはサービスごとに違うことを表した図

料金表を開く前に、自院の数字を3つ書き出す

比較の前に、手元に3つの数字を用意してください。これが、あとで出てくる式の変数になります。

① 施術する人の数(院長を含む)

いま何人で施術しているか。近いうちに増える予定があるなら、その人数も。

② ひと月の予約件数

厳密でなくて構いません。1日の平均 × 営業日数で十分です。

ここで1つ注意があります。「患者さんがネットから入れた予約の数」だけを数えないでください。 予約件数で課金するサービスの中には、院の側が手で入力した予約や、予約が入らないように押さえた時間(ブロックした枠)まで件数に数えるものがあります。実際に、調べたサービスの1つは公式サイトでそのように定義していました。電話予約が多い院ほど、この数え方の差は大きくなります。

③ 無いと困る機能

Web予約、前日のリマインド、カルテ、問診票——このうち「無いと困る」ものだけを挙げてください。「あったら嬉しい」は、いったん外します。

この3つが決まると、次の章の4つの型のうち、どれが自分の院にとって高くつくかが見えてきます。


料金表は、4つの型のどれかです

治療院向けのサービスと、近い業種向けのサービスを見てきましたが、課金の考え方は大きく4つに分かれます。

課金の中身安くなる院/高くなる院
① 定額月額が固定。人数でも件数でも動かない人が多い院・予約が多い院ほど得。少ない院には割高
② 人数課金基本料+施術者1名ごとに加算院長おひとりの院に安い。人が増えると逆転する
③ 従量課金月の予約件数で段が上がる予約が少ない院に安い。繁盛すると逆転する
④ 基本+オプション入口の基本料に、機能ごとの月額を積み上げる要る機能が少ない院だけ安い

2026年8月19日時点で、実際に公式サイトに載っていた金額です。

  • ①の型:基本使用料は月額9,800円(税抜)。「基本機能はすべて利用可能」とありますが、オプション機能の料金は公開されていません(資料請求で案内、という形です)。初期費用は通常49,800円で、確認した時点ではキャンペーンにより無料と記載されていました(キャンペーンは終了することがあります)
  • ②の型:基本料は月2,500円と3,500円(税込)の2段階で、どちらに何が含まれるかが公式サイトに一覧で示されています施術者を1名追加するごとに月1,000円(税込)。初期費用は0円
  • ③の型0円(月30件まで)/2,200円(50件まで)/5,500円(100件まで)/11,000円(無制限)。すべて税込。初期費用は0円で、公式サイトの表記も「月額費用 0円〜」です。この件数には、患者さんのネット予約に加えて、院が手で入力した予約と、予約が入らないよう押さえた枠も含まれると公式サイトで定義されています
  • ④の型:基本料にWeb予約やカルテを機能ごとに足していく形です。今回この型に当たったのは、美容サロンを中心とした製品でした(治療院も対象業種には入っていますが、治療院専用ではありません)。母集団が違うので金額は載せず、構造だけご紹介します

この金額について 2026年8月19日に各社の公式サイトで確認した記載です。税込・税抜は各社の表記のままで、こちらでの換算はしていません。キャンペーン中の初期費用は含めていません。価格は変わりますので、最新の条件は必ず各社の公式サイトでご確認ください

②の型には、もう一つ見ておくべき点があります。基本料の2段階で、使える機能が違います(以下、安いほうを「下の段」、高いほうを「上の段」と呼びます)。今回確認した範囲では、カルテは下の段から使えて、前日のリマインドは上の段にだけありました(2026年8月19日時点)。③で書き出した「無いと困る機能」が上の段にあるなら、その院にとっての基本料は上の段のほうです。


1年目に払う額を、1本の式にする

ここまでの部品を並べると、式になります。

1年目の支払い
  = 基本料 × 12
  + 初期費用
  +(人数・件数で増える分)× 12
  +(要る機能のオプション料)× 12
  + 料金表に載っていない費用

この式で、多くの方が間違えるのが初期費用の扱いです。

初期費用を12で割って月額に足す計算をよく見かけますが、これは正しくありません。初期費用は1年目にしかかかりません。 ですので、「1年目の総額」と「2年目以降の年額」は、別の数字として出す必要があります。

このことは、「初期費用0円」の見え方を変えます。

初期費用が0円のサービスは、1年目の総額では確実に効きます。ただし2年目からは、残るのは月額の差だけです。仮に初期費用の差が3万円、月額の差が1,000円だとすると、30ヶ月=2年半で追い抜かれます。予約システムは3年、5年と使うものですから、初期費用の0円だけで決めるのは、判断を短く区切りすぎです。

逆に、1年で見直すかもしれないと思っているなら、初期費用0円の重みは正しく大きくなります。つまり、何年使うつもりかを先に決めてしまえば、初期費用の重さは自動的に決まるわけです。

なお、特定の2サービスを突き合わせた1対1の比較は、別に書いてあります。料金と機能を項目ごとに並べたものは他社サービスとの料金・機能の比較記事をご覧ください。


同じ料金表なのに、2つの院で順番が入れ替わります

式ができたので、当てはめてみます。2つの院を用意しました。

A院:院長おひとり。ひと月の予約は約60件。カルテは紙のままでよく、Web予約と前日のリマインドが欲しい。

B院:施術者3名。ひと月の予約は約220件。カルテも画面で見たい。

先ほどの3つの型に、それぞれ当てはめます。以下は公式サイトに載っている金額を使ったこちらでの計算で、各社が公表している金額ではありません。予約件数は先ほどの定義(ネット予約+院が手で入れた予約+押さえた枠)で数えた前提です。また①だけが税抜表示なので、順番を比べられるよう、こちらで消費税10%を加えた額を併記します。

A院の場合(前日のリマインドが要るので、②は上の段)

月額×12+初期費用1年目
② 人数課金3,500円(税込)42,000円0円42,000円
③ 従量課金5,500円(税込・60件は「100件まで」の段)66,000円0円66,000円
① 定額9,800円(税抜/税込10,780円相当)129,360円通常49,800円・確認時はキャンペーンで無料出せません

B院の場合(カルテは下の段に含まれるので、②は下の段)

月額×12+初期費用1年目
② 人数課金2,500円+(1,000円×2名)=4,500円(税込)54,000円0円54,000円
① 定額9,800円(税抜/税込10,780円相当)129,360円同上出せません
③ 従量課金11,000円(税込・220件は「無制限」の段)132,000円0円132,000円

見ていただきたいのは、①と③の順番が入れ替わっているところです。A院では従量課金のほうが定額より安く(月5,500円 対 10,780円相当)、B院では定額のほうが従量課金より安い(月10,780円相当 対 11,000円)。同じ料金表を、同じ日に見ているのにです。

ただしB院の①と③は、税を揃えたから並んで見えています。表記のまま(9,800円と11,000円)だと1,200円の差に見えますが、揃えると差は月220円しかありません。順番が入れ替わるといっても、この2つはほぼ横並びです。

そして①は、1年目の総額が出せません。 オプション機能の料金が公開されていないためです。これは調べ方の問題ではなく、そういう型だという判断材料になります。埋まらない項目があるなら、問い合わせて埋めるしかありません(何を聞けばいいかは、最後のご質問にまとめました)。

もう一つ正直に書いておきます。この試算ではどちらの院でも、私たちが採用している①の定額型が最安になっていません。 それを承知で型の話をしているのは、月額の一覧を眺めても答えが出ないというのが本当だからです。

そして、この試算で効いているのは金額そのものではなく、「無いと困る機能」がどの段にあるかでした。A院とB院で②の基本料が違うのは、人数ではなく、要る機能が上の段にあるか下の段にあるかで決まっています。④の型はこれがもっと極端で、入口が安く見えても、③で書き出した機能を足すと順番が変わります。比べるなら、必要な機能を全部足した状態の金額どうしで比べてください。

なお、ここまでの表にはまだ「料金表に載っていない費用」が入っていません。次の章で足します。


料金表に載っていない費用があります

式の最後の項です。ここは料金ページを見ても出てきません。契約前に聞くことになります。

振込手数料

請求のたびにかかります。どちらが負担するかはサービスによって違います。SyncotBaseはお客様のご負担です。1回あたりは小さな額ですが、月払いなら年12回、年払いなら年1回と、支払い方で回数が変わります。

保存する容量

カルテに写真や動画を残す運用にすると、容量を使います。上限があるか、超えたらどうなるかは、契約前に確認しておく項目です。SyncotBaseはStandardで標準10GB(写真・動画のカルテはStandardの機能です)。超えた分は10GB単位で追加できますが、別途費用がかかります

決済の手数料

予約時のオンライン決済に対応しているサービスでは、決済額に対して手数料がかかります。今回調べた中の1社は、公式サイトに5%と明記していました。

最初のデータ移行

いまお使いのExcelや他システムからの取り込みが、別見積もりになるサービスがあります。調べた1社は「データ形式、数量などをお伺いのうえ、御見積りいたします」と書いていました(費用がかからない場合もある、とも書かれています)。

そして、自分たちの時間

金額に表れないぶん、いちばん見落とされます。取り込み用のファイルを整える作業、営業時間や施術メニューを決めて入力する作業。ここに何日かかるかは、料金表のどこにも書いてありません。実際に何が移って何が移らないのか、どこに時間がかかるのかは整骨院の患者データをExcelから移すに書きました。

やめるときの費用

年払いで契約して途中でやめた場合、残りの月の返金があるかどうか。SyncotBaseは返金しません(年払いの割引は1年使っていただく前提のものだからです)。月払いなら縛りはありません。

そして、やめたあとにデータを持ち出せるか、それに費用がかかるか。ここは整骨院のカルテ、システムをやめた後も残りますかで詳しく書いています。


SyncotBaseの場合

型でいうと、①の定額です。同じプランの中であれば、人数が増えても、予約件数が増えても、月額は動きません。

Light は月額4,800円(税込5,280円)、Standard は月額9,800円(税込10,780円)。初期費用は Light 15,000円(税込16,500円)・Standard 25,000円(税込27,500円)です。年払いを含めた表は選び方ガイドに載せてあります。

この記事の式に当てはめると、月払いならこうなります。

1年目2年目以降
Light79,860円63,360円
Standard156,860円129,360円

短所から先にお伝えします。

  • 「人数で動かない」のは、同じプランの中での話です。 Light にはスタッフ管理の機能がありません。院長おひとり以外の施術者を登録するなら Standard への変更が必要で、そのときは月額が動きます
  • 初期費用があります。 今回調べた3つは、いずれも初期費用0円でした(うち1つはキャンペーンによる無料)。ここは正直に負けています。ただ性格が少し違って、お試しの間はお預かりしているだけです。続けられなければお返しします(振込手数料はお客様のご負担となります)。続ける場合は返金せず、そのまま初期設計とデータ移行の伴走の費用になります。考え方の詳しい説明は比較記事にあります
  • 登録できる数に上限があります。 患者さんは Light 500名/Standard 3,000名、スタッフは Standard で5名まで。上限に達したら、上位プランへの変更が必要です
  • 1契約=1店舗です。複数店舗をまとめて管理する機能はありません
  • 保存容量は Standard で標準10GBです。超えた分は追加できますが、別途費用がかかります
  • 年払いを途中でやめても、残りの月の返金はしません

お支払いは請求書によるお振込みのみです。クレジットカード決済・口座振替・アプリ内での決済には対応していません。

お試しは、月額0円で最大2ヶ月です。「完全無料」ではありません——初期費用は先にお預かりするためです。有料の月額は毎月1日から始まる仕組みなので、無料の期間はお申込み月の翌月末までになります。8月1日のお申し込みなら9月30日まで(2ヶ月)、8月20日のお申し込みでも9月30日まで(約1ヶ月と10日)。月の初めにお申し込みいただくほど、無料で試せる日数は長くなります。

自院の数字で、実際の金額を出してみたい方へ。 施術者の人数と、ひと月の予約件数と、無いと困る機能。この3つをお聞かせいただければ、 1年目と2年目以降の金額を分けてお出しします。

料金について相談する(SyncotBase公式サイト)


よくあるご質問

Q. 予約の件数で料金が変わるサービスは、忙しい月だけ高くなるのですか。

A. その月の件数で段が決まる仕組みであれば、忙しい月に上の段へ上がります。確認していただきたいのは2つです。1つは、段が自動で上がるのか、こちらで申し込むまで上がらないのか。もう1つは、何を1件と数えるかです。患者さんのネット予約だけを数えるサービスと、院が手で入れた予約や押さえておいた時間まで数えるサービスがあります。電話予約が多い院ほど、後者では件数が想定より伸びます。

Q. スタッフを増やす予定があります。料金で気をつけることはありますか。

A. 人数で課金する型では、増えた人数がそのまま毎月の費用に乗ります。定額の型では乗りませんが、代わりに登録できるスタッフ数の上限があることが多いので、上限に達したらどうなるかを聞いておいてください。増員が1年以内に見えているなら、いまの人数ではなく増えたあとの人数で計算して比べるのが確実です。

Q. 「初期費用0円」のほうが、結局は安く済みますか。

A. 何年使うかによります。初期費用は1年目にしかかからないので、2年目からは月額の差だけが残ります。初期費用の差が3万円で月額の差が1,000円なら、2年半で追い抜かれる計算です。長く使うつもりなら月額を、1年で見直すかもしれないなら初期費用を、それぞれ重く見てください。

Q. 問い合わせのときに、料金について何を聞いておけばいいですか。

A. 次の5つで、料金表に書いていない部分がほぼ埋まります。①この金額で使えない機能はどれか ②人数や予約件数が増えたら金額はどう変わるか ③最初のデータ移行に費用はかかるか ④保存できる容量の上限と、超えたときの扱い ⑤途中でやめるときの条件と、データを持ち出せるか。見積書ではなく、この5つの答えを並べて比べると、条件がそろいます。

Q. SyncotBaseは、年払いと月払いのどちらがいいですか。

A. 年払いは2ヶ月分が無料相当になる代わりに1年間の契約となり、途中でやめても残りの月の返金はありません。月払いは割引がない代わりに縛りがなく、いつでも解約できます。最初は月払いで始めて、続けられそうだと判断してから年払いに切り替えるのが、いちばん損の少ない進め方だと考えています。


まとめ

予約システムの費用は、月額の一覧では決まりません。決めているのは、施術する人の数・ひと月の予約件数・無いと困る機能の3つです。

1年目の支払い
  = 基本料 × 12 + 初期費用 +(人数・件数で増える分)× 12
  +(要る機能のオプション料)× 12 + 料金表に載っていない費用

この式に自院の数字を入れると、幅だった「相場」が1つの金額になります。そして初期費用は12で割らず、1年目と2年目以降を分けて出してください。ここを分けるだけで、見えてくる順番が変わります。