承認は、押すか押さないかの二択ではありません。
患者さんの申込が、そのまま確定になる仕組みもあります。SyncotBaseは、そこに承認を挟みます。 送信された申込はいったん「承認待ち」としてたまり、院が承認して初めて確定になります。
そこで院がすることは「承認する」だけだと思われがちですが、SyncotBaseの画面には、それ以外の道もいくつか並んでいます。 そしてどの道を選んでも、承認待ちには戻れません。
この記事は、その1回の操作が何を決めているのかの話です。
先に申し上げておくと、「承認制にすると事故が減る」という話はしません。それは別の記事で書きました。ここで扱うのは、押したあとに何が起きて、何が残るのかのほうです。
承認待ちのカードには、ボタンが並んでいます
SyncotBaseの承認待ちのカードには、1件につきボタンが4つあります。承認、お断り、キャンセル、削除です。

このうち「お断り」は、院の都合で受けられないときの操作です。学会で休む、その時間だけ人が足りない、といった理由で断るときに使います。押すと確認が出て、患者さんにはお断りの連絡が届きます。
覚えておいていただきたいのは、SyncotBaseでは、お断りは承認待ちの状態からしか選べないことです。いったん承認して確定にしてしまうと、そこから「やっぱりお断り」には進めません。断るなら、承認の前に決めることになります。
残りの2つ——キャンセルと削除——は、性格がまったく違います。SyncotBaseでは、キャンセルは記録を残す操作で、削除は記録を残さない操作です。同じ「消す」ように見えて、あとに残るものが逆になります。ここは間違えると数が狂うところなので、後ろの章でもう一度触れます。
なお、この前提そのものについては、整骨院・接骨院の24時間ネット予約に書きました。この記事は、申込が届いたあとの話だけを扱います。
どれを押しても、承認待ちには戻せません
SyncotBaseでは、承認して確定にしたあと、もう一度承認待ちに戻すことはできません。
お断りも、キャンセルも、無断欠席も同じです。そこから先へは動きません。 予約の状態が片方向にしか進まないのは、SyncotBaseの設計です。
これは画面にも出ます。その先へ進めない状態まで来ると、カードから操作のボタンそのものが消えます。 押せるボタンが並んでいるうちは、まだ動かせる。何も無くなっていたら、その予約はもう動かない、ということです。
だから「間違えたら戻せばいい」が使えません。承認を押したあとに「その時間はやはり無理だった」と気づいたときは、戻すのではなく、次の操作で先へ進むことになります。キャンセルとして扱い、あらためて別の時間で取り直す、という形です。
このとき、患者さんに届くお知らせは3通になります。 確定のお知らせが一度届いていて、そのあとにキャンセルのお知らせが届き、取り直した予約でもう一度確定のお知らせが届く。院の側では画面を数回操作しただけでも、受け取る側にはそれだけ並びます。
承認の前に断っていれば、届くのは1通です。この差が、承認を押す前に一呼吸置く理由になります。「慎重にやりましょう」という心構えの話ではなく、連絡の回数が変わるという実務の話です。
来なかった予約をどう記録するかは、治療院のドタキャン対策のほうが詳しいです。
押したことは、残ります
この記事を書いているのは、合同会社Rhythmwalkerです。整骨院向けの予約管理システム「SyncotBase」を作っています。都内で長年営業する整骨院と共同開発し、いまも導入院の本番環境を保守しています。ここから先は、作っている側から見た話になります。
SyncotBaseでは、予約の状態が変わるたびに、その記録が残ります。 承認したこと、お断りしたこと、キャンセルにしたこと。いつ、どの操作をしたのかが履歴として積み上がっていきます。
これは、受付を1人でやっている院にはあまり意味がありません。効いてくるのは、受付が複数人いる院です。
「この予約、誰が受けたんだっけ」が出てきたときに、思い出す必要がなくなります。朝の受付が承認したのか、昼に入ったスタッフが承認したのか。記録を見れば分かるので、確認の会話が要りません。言った・言わないが起きる場所を、1つ減らせます。
履歴に並ぶのは、変わる前と後の状態、日時、操作した人、そして備考です。「いつ・誰が・何を・どうしたか」が1行になって積み上がっていきます。
備考のところには、キャンセルにするときに一言だけ添えられます。 「お電話でご連絡あり」「体調不良のため」といった短いものです。入れなくても構いませんが、入れておくと、あとで見返したときに「なぜこの予約が消えたのか」が分かります。
キャンセルのボタンにも、そのことが添えてあります。患者さん都合のキャンセルは、記録が残る扱いです。件数として後から数えられるように、消さずに残す作りにしています。
記録が残らない操作は、「削除」だけです。これは誤って登録したものを取り消すための操作で、使いどころが違います。詳しくは整骨院・接骨院の24時間ネット予約の終わりのほうに書きました。
承認の運用について相談する(SyncotBase公式サイト)
記録に残ることと、患者さんに伝わることは、別です
SyncotBaseでは、承認すると確定のお知らせが自動で届きます。お断りしたときも、患者さんに連絡が届きます。キャンセルにしたときも、通知を使っている院なら届きます。
ただし、無断欠席として記録したときは、患者さんには何も届きません。
来なかったという事実は院の記録に残りますが、それが自動で相手に伝わることはない、という作りです。連絡するかどうかは、院が決めることになります。
これは、記録を付けるときの心理的な引っかかりを1つ減らします。「無断欠席と記録したら、本人に何か通知が行ってしまうのでは」と気にする必要がありません。 記録は院の中に残るだけです。
裏返すと、記録を付けたことで何かが自動的に進むわけでもありません。 そのあと連絡するかどうか、次回どうするかは、これまでどおり院が判断することになります。
まとめて押すこともできます。まとめたことも残ります
朝、画面を開くと承認待ちが何件かたまっている——という日があります。
1件ずつ開いて確認していくこともできますし、チェックを付けて、まとめて承認することもできます。全部まとめて、という押し方もあります。
ここで1つ、細かいけれど効く作りがあります。SyncotBaseでは、1件ずつ承認したときと、まとめて承認したときとで、履歴に残る文言が変わります。
つまり、あとから履歴を見た人に、「これは1件ずつ見て承認したのか、まとめて通したのか」が分かります。
まとめて承認することが悪いわけではありません。同じ日の似た申込が並んでいるなら、まとめて通すほうが速いです。ただ、そのとき1件ずつ中身を見なかったことも、同じように残る——それだけの話です。あとから何かを確かめるとき、この差が手がかりになります。
使い分けの目安を1つ挙げるとすれば、その日の枠が埋まりかけているかどうかです。空きが十分あるうちは、まとめて通しても困ることはあまりありません。埋まりかけている時間帯の申込が混ざっているときだけ、そこは開いて見る。全部を1件ずつ見るか、全部をまとめて通すか、の二択にしなくて構いません。
なお、まとめて選ぶためのチェックは、まとめて消すほうにも使えます。同じ並びに置いてあるので、押し間違いにはご注意ください。
終わったあとに、閉じる操作はありません
SyncotBaseには、来院が終わった予約を「完了にする」操作がありません。
開始時刻を過ぎた確定済みの予約を、来院があったものとして扱います。 分析の数字も、この考え方で数えています。院が1件ずつ閉じていかなくても、数は合うようになっています。
画面のほうも、時間が過ぎた確定の予約を薄い色で表示する設定があります。今日これから来る予約と、もう終わった予約が、並びの中で見分けられる形です。
つまり、1日の終わりに「締める」作業が要りません。 承認したあとは、時間が過ぎれば自動的に来院として扱われます。院がすることは、その前——承認するかどうかを決めるところまでです。
ただし裏返すと、来なかった人を放っておくと、来たことになります。 時間が過ぎた確定の予約は、そのままでは来院として数えられるからです。当日キャンセルや無断欠席があったら、その日のうちに記録しておく必要があります。ここだけは、院の手が要ります。
SyncotBaseの場合
- 患者さんの申込は「承認待ち」として届きます。承認して初めて確定になり、この流れはオフにできません
- 承認待ちの1件には、承認・お断り・キャンセル・削除の操作があります。お断りは承認待ちからのみ
- 確定させたあと、承認待ちには戻せません。お断り・キャンセル・無断欠席も、そこから先へは動きません
- 状態が変わるたびに記録が残ります。変わる前と後の状態・日時・操作した人・備考が並びます
- 1件ずつ承認したか、まとめて承認したかも残ります
- キャンセルにするときは、理由を一言だけ添えられます(任意)
- 承認すると、確定のお知らせがLINEかメールで自動的に届きます
- 承認待ちの件数は、画面上部のベルにも出ます
- 来院を「完了」にする操作はありません。開始時刻を過ぎた確定済みの予約を、来院として扱います
予約システム全体をどう選ぶかは、予約管理システムの選び方ガイドにまとめています。
よくあるご質問
Q. 承認したあとで、やっぱり受けられないと分かりました。どうすればいいですか。
A. SyncotBaseでは承認待ちに戻せないので、キャンセルとして扱っていただく形になります。そのうえで、あらためて別の時間で取り直します。患者さんへのご連絡が要る点は、承認前にお断りする場合と変わりません。戻すのではなく、先へ進めて調整するとお考えください。
Q. 院の都合でお断りするときは、どう操作するのが正しいですか。
A. SyncotBaseでは、承認待ちの状態で「お断り」を選びます。院都合で受けられないときのための操作で、患者さんにはお断りの連絡が届きます。確定にしてしまうとお断りは選べなくなるので、断るかどうかは承認の前に決めることになります。
Q. 受付が複数人います。誰が承認したか分かりますか。
A. 分かります。SyncotBaseでは、予約の状態が変わるたびに記録が残るので、変わる前と後の状態、日時、操作した人、備考が並びます。1件ずつ承認したのか、まとめて承認したのかも区別が付きます。受付に立つ人が日によって変わる院ほど、確認の手間が減ります。なお、記録が残らない操作は「削除」だけで、これは誤って登録したものを取り消すためのものです。
Q. 来院が終わった予約は、こちらで閉じる操作が要りますか。
A. 要りません。SyncotBaseは、開始時刻を過ぎた確定済みの予約を、来院があったものとして扱う作りです。分析の数字もこの考え方で数えているため、1件ずつ閉じていかなくても数は合います。ただし、当日キャンセルや無断欠席があった予約は、そのままにしておくと来院として数えられます。来なかったときだけは、その日のうちに記録してください。
まとめ
承認は、予約を確定させる操作です。それと同時に、あとから見返せる記録を作る操作でもあります。
そして、押したら戻せません。確定にしたものを承認待ちに戻すことも、確定のあとでお断りに変えることもできません。動かせるうちは操作のボタンが並んでいて、動かせなくなると消えます。
受付が1人の院なら、記録の話はあまり関係ないかもしれません。ただ、受付を複数人でやっている院では、承認を押すという1回の操作が、確認の会話を1つ減らしてくれます。 誰が受けたかを思い出さなくてよくなる、というだけのことですが、毎日のことです。
そして、記録に残ることと患者さんに伝わることは別です。無断欠席を記録しても、相手には何も届きません。記録は院の中の話だと分かっていると、付けるのをためらわずに済みます。
